<Header>
<Author: 白居易>
<Title: 秦中吟十首 傷宅>
<Format: 格式不明>
<Year: 1964>
<BookName: 漢詩大系  白樂天>
<Translator: 田中克己>
<style: 現代文無假名>
<style2: 日本現代譯文無假名標注>
<TranslatedTitle: 宅を傷む>
<BookPage: 137-139>
<UsedPage: 3>
<Feature: 1, 4>
<End Header>
<Poem>
誰家起甲第，
朱門大道邊。
豐屋中櫛比，
高牆外迴環。
纍纍六七堂，
棟宇相連延。
一堂費百萬，
鬱鬱起青煙。
洞房溫且清，
寒暑不能干。
高堂虛且迥，
坐臥見南山。
繞廊柴藤架，
夾砌紅藥欄。
攀枝摘櫻桃，
帶花移牡丹。
主人此中坐，
十載爲大官。
廚有臭敗肉，
庫有貫朽錢。
誰能將我語，
問爾骨肉間。
豈無窮賤者，
忍不救飢寒。
如何奉一身，
直欲保千年。
不見馬家宅，
今作奉誠園。
<End Poem>
<Translation>
誰の家であろうか、りっぱな邸宅を建てている、朱ぬりの門が大道に面している。美しい建物が内部には櫛の歯のようにならび、外部には高い塀がめぐらされている。表座敷だけでも六つも七つもかさなり、その棟が長くつらなっている。一座敷の建築費だけで百万もかかり、屋根にはさかんに雲がたなびいている。奥ぶかい部屋は冬あたたかに夏すずしく、寒暑が住む者をそこなうことがない。高い座敷はガランとひらけていて、坐っていても寝ていても終南山が見わたせる。廊下をめぐって紫の花さく藤だながあり、石だたみの両側にはシャクヤクの花壇がある。 枝をひきよせてサクランボがつめるし、花のままボタンを移植して来たりしている。主人はこの邸中に住み、十年間、大官に任じられている。 廚には食いのこりの肉が腐っており、また庫にはサシのくちた銭がそのままである。誰かわたしのいうことをかわりにきいてみてくれないか、「あなたの親戚の中には、貧窮のひどい者がいるだろうが、その飢えや寒さを救ってやらずにいるのではないか。自分の身のことばかりかまって、永久につづけてゆこうと思うのはどうしたわけか。 あの馬暢の邸宅は、今は国有の奉誠園となっているのを見ないか」と。 
<End Translation>
<Formatted Translation>
誰の家であろうか、りっぱな邸宅を建てている、朱ぬりの門が大道に面している。
美しい建物が内部には櫛の歯のようにならび、外部には高い塀がめぐらされている。
表座敷だけでも六つも七つもかさなり、その棟が長くつらなっている。
一座敷の建築費だけで百万もかかり、屋根にはさかんに雲がたなびいている。
奥ぶかい部屋は冬あたたかに夏すずしく、寒暑が住む者をそこなうことがない。
高い座敷はガランとひらけていて、坐っていても寝ていても終南山が見わたせる。
廊下をめぐって紫の花さく藤だながあり、石だたみの両側にはシャクヤクの花壇がある。
枝をひきよせてサクランボがつめるし、花のままボタンを移植して来たりしている。
主人はこの邸中に住み、十年間、大官に任じられている。
廚には食いのこりの肉が腐っており、また庫にはサシのくちた銭がそのままである。
誰かわたしのいうことをかわりにきいてみてくれないか、「あなたの親戚の中には、
貧窮のひどい者がいるだろうが、その飢えや寒さを救ってやらずにいるのではないか。
自分の身のことばかりかまって、永久につづけてゆこうと思うのはどうしたわけか。
あの馬暢の邸宅は、今は国有の奉誠園となっているのを見ないか」と。 
<End Formatted Translation>